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GRAND TOURISM®ーMarunouchi

MARUNOUCHI GRAND TOURISM®:都市と美学の再構築 ― 近代日本の精神的中心を巡る知的旅程

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MARUNOUCHI GRAND TOURISM®:都市と美学の再構築 ― 近代日本の精神的中心を巡る知的旅程

1.丸の内の位置づけと本プログラムの概要

 丸の内は、東京駅と皇居の狭間に位置し、近代日本の都市計画・資本主義文化・景観美学を統合的に表現する場である。本プログラムは、三菱地所による都市開発史・企業理念、皇居の象徴性を中心に据え、近代国家成立以降の日本近代性を読み解く知的ツアーである。

 丸の内地域に所在する企業群は、日本全国の GDP の約 25 % を生み出すとの指摘がある。また、大手町・丸の内・有楽町の企業を対象とする売上高規模は 120 兆円に及び、これは国内企業活動全体の 8.85 % に相当する。

 こうした規模感は、丸の内を単なるビジネス街ではなく、国の経済構造を支える中核拠点であることを示す。

 さらに、丸の内エリアでは過去十年で就業人口・事業所数が約 2 割拡大しており、最新時点で就業人口は約 35 万人、事業所数は約 5,000 に達している。

 この人材・企業集積は、昼夜の都市活動、商業・サービス需要、オフィス稼働率、街路景観価値、不動産税収といった多層的経済効果を生み出している。

 本プログラムでは、こうした経済力と文化力の融合体としての丸の内を、専門解説とフィールド学習を通じて「思想する都市」として体験する。
 参加者は、都市景観・企業理念・国家象徴性・市民空間が交錯する空間を歩きながら、近代日本の都市哲学・経済構造・文化政策の交点を俯瞰する機会を得る。

 本プログラムは、近代日本の「文明開化」の舞台裏にある理念的・文化的側面を掘り下げ、経済と文化が融合する都市景観の変遷を通じて、日本独自の近代化プロセスを検証するものである。

2.三菱地所 ― 近代都市計画の黎明と企業美学

 三菱地所株式会社は、1890年に三菱合資会社地所部として創設され、「一丁倫敦(いっちょうロンドン)」構想を掲げて丸の内の都市開発を開始した。
 この構想は、英国ロンドンのビジネス街に範をとり、日本における最初の本格的オフィス街計画であった。
 以降、丸の内は「日本資本主義の中心地」として発展し、同時に建築美・街路景観・文化機能を備えた総合的な都市文化空間として進化した。

 三菱地所は、単なる不動産開発企業ではなく、「都市を創造する思想家集団」であるといえる。
 同社の都市計画は、経済効率だけでなく、美観・調和・文化性を重視する「都市芸術(Urban Aesthetics)」の理念に基づいている。
 特に2000年代以降の再開発では、丸ビル・新丸ビル・三菱一号館美術館などが連続的に整備され、文化・芸術・知の交流拠点としての「知的都市」モデルを確立した。

 丸の内の都市構造は、単なる商業集積ではなく、「経済合理と美意識の統合」という近代日本の思想史的テーマを体現する場であり、三菱地所の企業理念「まちづくりを通じて社会に貢献する」という哲学の具現化である。

 

3.皇居 ― 日本精神の中核と都市景観の象徴

 丸の内に隣接する皇居は、旧江戸城を改修して明治天皇の居所としたものであり、日本の国家象徴・歴史記憶・自然景観の融合点に位置する。
 その広大な緑地は、東京の都市生態系を支える中核であり、都市の中心にありながらも**静寂と権威を兼ね備える「聖域的空間」として存在している。

 特に二重橋や伏見櫓などの歴史的構造物は、江戸期の武家文化と近代国家の象徴主義を接続する文化遺産であり、都市空間における「伝統と近代の共存」の象徴である。
 皇居東御苑は、かつての本丸・二の丸を一般公開した庭園であり、武家政治から立憲国家への転換を象徴する空間構造をもつ。

この皇居周辺の景観は、丸の内の高層ビル群と相対しつつも調和を保ち、「都市と自然」「近代と伝統」「権威と市民性」という三つの対概念を見事に調停している。
 この構造的バランスは、他国の首都には見られない独自の美学的現象であり、日本的近代の核心的モデルケースといえる。

4.現代の丸の内再生 ― 都市文化と知的ホスピタリティ

 2000年代以降、丸の内は三菱地所主導の再開発によって「働く・学ぶ・愉しむ」が融合した複合文化都市へと変貌した。
 その再生コンセプトは「丸の内リボーン(Reborn)」であり、歴史・環境・アート・経済を統合するサステイナブル都市再生の国際モデルとして評価されている。

 丸ビルや新丸ビルには、企業オフィスのみならず、芸術展示・講演・食文化イベントが共存しており、
 特に「三菱一号館美術館」は、英国の建築家ジョサイア・コンドル設計による明治期の赤煉瓦建築を復元し、近代日本の美術史・建築史の学術的価値を再評価する場として機能している。

 このように、丸の内は産業資本主義の中心であると同時に、知的芸術都市としての役割を担い、経済・文化・芸術・環境を横断する「知のエコシステム(Knowledge Ecosystem)」を形成している。

 

​5.MARUNOUCHI GRAND TOURISM®の概要

  • 会場:東京都丸の内エリア周辺

  • 形式:少人数制・事前予約制・事前決済

  • ガイド:随行通訳同行(費用に含まれる)および、特別ガイド(阪田徹Ph.D.(東京国立博物館参与)監修)

  • 所要時間:約5~6時間

  • 対象:知的体験を求める国内外のエグゼクティブ・旅行者・企業インセンティブツアー等

  • 費用:事前相談

6.予約

 お問い合わせよりご相談ください

7.提携旅行業者

 株式会社SERIKA TOURISM(第2種旅行業者、「東京都旅行業番号2-0869」、総合旅行業務取扱管理者在籍。)

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